序章

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電光石火のソバット 「何だか無駄に体術向上してないか?」 ボロ雑巾のように転がったキリトに憐れみを感じながら、陽子に冷ややかな視線を送る 「そんなことないわよ」 サラリと言う陽子だが、バッチリと残身のポーズをとる姿は 「いや、そんなことあるよ」 そう言わずにはいられない キリトの求婚癖は毎度の事だが、毎度懲りずに轟沈する姿は馬鹿としか言い様がない 何度か一流の符咒師らしい姿を見ているだけに、何だか可哀想な存在に思えてしまう 「毎朝こんなんだと退屈しないな」 キリトが来た方向から健康的な褐色の肌をした大男がゆっくりと歩いて来る 「いい迷惑よ 本当、ちゃんと躾しておきなさいよね」 陽子は心底迷惑そうに言い放つ 「変態退治は管轄外だ」 ――佐藤 大作(サトウダイサク) 継承遺伝子【エクソシスト】 「ふん、お前達のせいで清々しい朝が台無しだ」 僕はコンビニに行く時間が奪われ、空腹で苛立っているのだ 「あはは!怒っても可愛いねー権太は」 「権太は見ていただけだろ?」 うぅー……朝からその名を 「その名を呼ぶな!」 ――佐久間 権太(サクマゴンタ) 継承遺伝子【ヴァンパイア】
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