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「ラスベガス……か
高山、先生はお前のそんなふざけた行き先を笑わないぞ」
春馬は穏やかな笑みを浮かべ陽子を見る
「あの、別に笑わせるつもり無いんだけど…」
心外だと言いたげな陽子を無視して、春馬は窓の外に視線を移した
「先生……実は先月、彼女に振られました」
いきなりのカミングアウト
そしてその表情に哀愁が漂う
「付き合って２週間
『一緒にいると日焼けしそう』
そう言われて一方的に振られたよ」
酷い話だ
でも何故か納得できてしまうのが不思議だ
「先生はそんな理不尽に深く傷つき、そして悩んだ
何がいけなかったのか…ってね
でも答えは見つからなかった」
春馬は窓を開け、サッシの枠に手を置く
「そんな時、ふと思ったんだ
答えは待っていてもやっては来ない……ならば、自分で見つけに行くしかないと！」
俯きかけていた顔を上げ、春馬は拳を硬く握りしめる
「さぁ行こう！
失恋の聖地たる日本海へ！！」
堂々たる改算宣言
先ずは日本海側の県民に謝れ
「まさか先生…票をいじったって事？」
陽子の言葉に他の生徒達もザワつき始める
「どうなんだよ先生！」
「信じらんない！！」
「貴方には黙秘権があり…」
怒りの感情は数を得て膨れ上がった
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