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僕は柩に眠る
ヴァンパイアの最後の領地
静かなる安住の狭き匣
陽を閉ざし、闇が生まれ
僕の在る場所
僕が眠る場所
それでも陽は昇り
僕はそれに憧れる
―それは感傷だろうか？
―それとも嫉妬だろうか？
いや、その二つだと認めよう
人であったモノは
人に憧れ、嫉妬する
だから拒絶しよう
―渇望する陽の光を
だから嘲笑しよう
―その下に生きるモノ達を
僕はヴァンパイア
闇夜の月に躍る―――
――ガンガンガンガン！
「朝です朝です希望の朝です！
早く喜びに胸を開いて起きて下さい！」
警鐘よりも派手なパーカッションが柩の中に響く
―バン！
「うるさーい！！
ヴァンパイアは静かに起こせ！希望とか喜びとか前向きな言葉で起こすな！
そして胸元の開いた服はやめろと言っただろ！」
柩の蓋を蹴り上げ、やたら胸元が開いたメイド服姿の女を睨む
「も、申し訳ございません…
でも与えられた服はコレかもっと凄いものしか…」
丸い大きなメガネ
その奥の茶褐色の瞳に涙が溜まり、唇をキツく噛み締める
「おい清美！血が出てる血が！」
――美濃 清美(ﾐﾉｷﾖﾐ)
継承遺伝子【死霊術師】
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