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「――とは言ったものの、一人一人が思いを成しては時間も掛かるし先生の命も危うい」
「え?暴力ですか?」
春馬の顔が蒼くなる
大義ある暴力は《制裁》と言うのだよ
「そんな訳で、皆には代表者と具体的な手段を決めてもらおう」
正直、結果は大方見えている
そして僕の言葉に生徒達の指が一人の人物に向けられる
「「――陽子の」」
綺麗に揃った生徒達の声は、誰もが思い浮かべる戦慄の序章
春馬の恐怖に塗り固められた表情が、ゆっくりと陽子へ照準を絞る
皆の注目を一身に浴びる陽子
現在腰をグイグイ回し、身体をほぐして準備万端
そして、続く揃った声がギロチンの紐を切り落とす
「「ローリングソバット♪」」
最後尾の席から満を持して、爆弾娘の導火線に火が着いた
陽子は一直線に春馬へと駆け出し、標的手前3メートルで床を蹴る
「あ、待っ…」
春馬の言葉を待たず
陽子は空中で身を捻り、斜め下から突き上げるような角度で右足を放つ
―ちゅどん!!
「べぶんっ!」
可愛い打撃音は《学校》という場所を考慮したものだ
陽子の蹴りは春馬の首を刈る勢いで撃ち抜き、我らが担任は黒板へ叩きつけられる形で弾んだ
春馬の苦痛に歪んだ表情に、生徒達は清々しい表情を見せた
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