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「ふーん、面白いヤツだな」
昼休み
気温も落ち着いてきた今の季節は校庭の木陰が昼食のスポットだ
《晩餐会》のメンバーが気を利かせてベンチとゴミ箱を用意してくれたのは良いが、『ヴァン様専用』の文字は余計だ
勝手に利用した生徒が翌日、無惨な姿でグランドの真ん中に放置されて以来、触れる者すらいないという
「『ふーん』って、それだけ?
大作は腹が立たないの!?」
事のあらましを説明し、共感を得ようとした陽子だが、大作の反応は素っ気ないものだった
「別に
俺は面白い出来事があればそれでいい」
大作はそう言ってサンドイッチを食べ始める
修学旅行先など興味無しと言わんばかりだ
「お前は熱くなり過ぎだ
教師一人を血祭りにしといて…どれだけ血の気が多いのだ」
やれやれ、春馬もアンケート票の改算くらいで極刑まがいな仕打ちを…
「えっ?権太が煽っといて…」
『そりゃないっしょ』
陽子の顔がそんな形になっていた
「煽った?心外だな…
――この実行犯め」
「あれ?私が加害者?」
そんなやり取りの中、いつもテンションの高いキリトは僕の弁当に釘付けになっていた
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