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「…私も…行く…来月…」
長い爪で僕の脇腹をツンツンと…って痛いから!
「脇腹を刺すな!
というか、学生じゃないお前は修学旅行には行けないのだ」
僕の予想よりも晴香ウズウズは肥大していた
「…学生?…どうやって?」
晴香は不思議そうに小首を傾げながら、長い爪で僕の首筋をカリカリと……って痛っ!
「やめろ!血が出る!
いいか?学校に入るには試験を受けなければいけないのだ」
話しの展開としては急だが方向は間違ってはいない
晴香がこれで学校に入りたいと強く願い、行動すれば良し
「試験…………倒す」
「いや倒せないから」
“受ける”ものだから
方向は間違っていなかったが、晴香は山を船で登ろうとしていた
「『倒す』とかじゃなく、学問を勉強して来春の試験を受けて…」
「…来…春…?」
晴香が怪訝そうに眉を寄せた
「ん?そうだぞ
今年はもう入試も終わったから、来年…」
――ビュッ!
僕の言葉を風切り音が遮り、鋭い爪が僕の視界を遮る
「…ヴァン…パイアと…一緒
………がいい」
ヒュンっと視界から爪が消えたと同時に晴香の姿も消えていた
忍者かお前は
「『一緒がいい』って…
変な考えを起こさなければいいが」
一抹の不安を胸に、僕は家路についた
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