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何だ?
何が起こっている?
このタイミングで何故その雑誌を…いや、そもそも何故それを知っている?
「そう…だけど…
それが母に何の関係があるのでしょうか」
そんなものがあっては困る
だが母は雑誌の表紙を見て、再び僕へと視線を戻し
「うむ、私も前々から行ってみたいと思っていた」
なんで真顔でそういう事を言えるんだろう?
「そ、その話しと僕の修学旅行は関係ないと…」
「勿論シィーちゃんと二人で行くのだが、権太を家に残して行くのを心苦しく思っていたが修学旅行とは丁度いい」
昨年、僕を置いてタヒチに行ったヤツのセリフじゃないよね
「あのー、お土産ならちゃんと買ってくるし…」
「海の幸はなんだろうな?」
いや、だから知らないよ
真剣な表情で再び雑誌のページをペラペラと巡る母に嫌な汗が止まらない
「父は連休とれないと思…」
「シィーちゃんがまさか有給をとれるとは」
雑誌を見ながら独り言のように呟く母
また会社に圧力をかけたな…
普段は外出も嫌がるクセに、こういうキッカケがあるといつもこうだ!
僕がいつまでも下手に出ていると思ったら大間違いなのだ
「母!」
「死にたいか?」
「牛乳…あるかな?」
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