398人が本棚に入れています
本棚に追加
/344ページ
「クソっ!なんなんだ!」
部屋に戻った僕は柩にある枕をポフっと殴る
過去に壁に八つ当たりして、その倍以上の衝撃で叱られた経験から、物に強く当たれない僕
「嫌がらせか?
別に同じ日に同じ場所に行かなくったっていいだろう」
監視される訳ではないだろうが、そういったものを気にして修学旅行を過ごすのは嫌だ
「父に直談判するか?しかし母の目が……ん?」
待てよ?明日は土曜日
父の会社に直接行って説得すればいいんじゃないか?
「幸い今朝父から貰った千円があるからバス代は大丈夫だ」
一月千円の小遣いでバスに乗るのはあまりにも無謀だから
「母は父に弱いからな
せめて旅行先くらいは変えてもらわないと」
何とかなるかもという期待とは別に、中々消え去らない苛立ち
何故僕がこんなに振り回されなければ…
―コンコン
「お着替えお持ちしました」
ドアの向こうから清美の声
「入れ」
来た
僕のストレス発散材料が
「失礼します」
―ガチャ
露出の多いメイド服で僕の洗濯物を手にした清美が入って来る
「何も言わずにそのほっぺたつねらせろぉー!」
「え?あ、いや、な、なんでぇーー!?」
恨むなら母を…いや
僕に優しくない世の中を恨んでくれ
最初のコメントを投稿しよう!