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暗闇の中 微睡みからスムーズに覚醒されていく僕の意識 あれほど精神的なダメージを受けながら、僕の神経は意外と丈夫にできているものだと感心する ギィ… 最近、油を差していない柩の丁番が軋んだ音をたてて蓋が開く 遮光性抜群のカーテンが作り出す闇は、柩の中とあまり変わらない しかしヴァンパイアの紅い瞳はその闇の中でもしっかりと辺りを映し出す 故に見えた 「どうした清美 ほっぺたが赤いぞ?」 柩の前で正座している清美の頬は赤かった 「あれだけつねればこうなりますよ」 そうか、だから寝覚めが良かったのか 昨日僕を苦しめたストレスは、清美のほっぺたを上下左右に引き伸ばすことで解消されたことを思い出した 「お前がいて良かったよ」 「違う場面で言って下さい」 僕の感謝の言葉を清美は不満そうな顔で返す 「今は何時だ?」 毎朝清美が起こしにくるので、最近は目覚まし時計は使っていない 「6時です なのでさっそく…」 「着替えは自分でするからな」 僕のパジャマのズボンに手を伸ばす清美を睨む 「えっ!?じゃあ私のストレス解消は…」 「知るか!大体、着替えさせてもらう高校生なんていない!そして下から脱がそうとするな!」
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