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「待て!何を物騒な事を…」 殺気を漲らせる紗英の手首を掴み、僕は予告殺人を阻止する 「だって権ちゃん泣いてるじゃない!そんな痴漢生かしておけないわ!」 あ、僕泣いてた? うん…怖かったから…ね しかしこのまま紗英を人殺しにする訳にはいかない 僕は流れる涙を拭いながら、やや震える声で紗英に言った 「正確には……“痴女”だ」 ……………… 「楽には死なせないわ」 紗英の殺気がより一層大きく膨らんだ 嗚呼、口下手な自分が憎い 「そ、そんなのはいい!大体、誰がやったのかなんて…」 不足分の言葉を足そうと僕は必死に口を動かす ―ぎゅっ 言葉が全て出切らぬうちに、僕の体は紗英の腕の中にスッポリと収まった 「権ちゃん…怖かったよね? もう大丈夫だから…」 あの香水の臭いが紗英の柔らかい匂いで消されていく気がして心地良い 「ち、ちょっとだけ…だ」 いつもお姉さんぶっている紗英に苛つく事も多々あるが、今日はそれが少し有難い まぁ、僕より4つ歳上なのだが ―サワサワ 「………何のつもりだ?」 抱き着きながら僕のお尻を撫でる紗英に言う 「痴女ごときが権ちゃんのキュートお尻を触って私が触らないのも不自然かな…と」 「その考えが不自然だ」
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