会社へゴー

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「でも社長に用事って、そんな急ぎなら電話でいいんじゃない?」 僕の急な訪問を不思議に感じたのか紗英が訊いてくる 確かに親子である僕が、わざわざ勤務先まで来るような用件なんてそうあるだろうか まぁ、疑問を感じて当然だ 「お前には関係無い」 嫌がらせで言った訳でも邪険にした訳でもない だがそんな何気ない一言が紗英の《お姉さん心》に火を着けた 「ふーん、権ちゃんは私にそういう事言うんだ」 あ、マズイ… 「私は権ちゃんの為なら何だってするよ?」 さっきまで10数㎝あった距離がいつの間にか0になっている 紗英の手が僕の後頭部を通り過ぎ頬に触れ、紗英の顎は僕の額に触れる はい、目の前は胸です 「近い…近いから…」 あからさまの色仕掛けに心拍数は右肩上がりに上昇中 そんな僕にトドメと言える一言 「『関係無い』……か じゃ、関係を作っちゃおっか」 Yシャツ越しでもハッキリと分かるボリュームに、紗英は手で僕の顔を押し込む 「なっ!?――む、むうぅ!」 い、息が! 今は生き血より酸素が欲しい! 「権ちゃんの“初めて”貰ってもいいかな?」 艶っぽく囁く紗英 その“初めて”って僕の《命》じゃないだろうか
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