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僕も男だ
女性に迫られて冷静でいられるほど無欲では無い
しかし、だがしかし!
「や、やめろー!僕はヴァンパイアだぞ!」
力いっぱいに紗英を突き放す
「うん、知ってる」
―ぎゅっ
再び絡み付いてくる紗英
その僅かな間に胸元のボタンが一つ外されていた紗英の技術には脱帽だ
じゃ、なくて
「わ、分かった!言うから!言うから離れろ!」
このままでは押しきられると感じた僕は仕方無く折れた
身の危険を、感じました
「えー!?これからがいいコト…じゃなくていいトコだったのにー」
言い直す必要あった?
「聞くのか聞かないのかどっちだ」
勝手に盛り上がっている紗英が残念そうな声を上げるが、僕はまだキレイな身体でいたい
「じゃあ、聞く♪」
サッと身を退き見せた紗英の笑顔に僕の頬が引きつる
―遊ばれた
歳上の女性を金の草鞋で叩きたいと思った十七の秋
悪気と悪戯心の境が根こそぎ取り払われている紗英に、ここで何を言っても無駄だろう
「お前というヤツは…
まぁ、話しというのは修学旅行の事なんだが…」
紗英の性格に諦めを抱きながらも、僕は今日訪れた理由を話した
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