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眠りを意識し、次第に重くなる瞼を擦りながら考える
中村専務に挨拶くらいした方が良いか?
「駄目だ
あの人は母の支配下にある」
どういう訳か中村専務は昔から母に頭が上がらない
おそらく物凄い光景を見たに違いない
「町の一区域が目の前から消し飛んだとか」
……なんか、眠気も飛んだ
リアルに想像してしまった衝撃的な大惨事
その中央には冷笑を浮かべる母が、これまたリアルに頭に浮かぶ
「仕方ない…、それは仕方ないな中村専務」
想像の中の母は何かもう悪魔?
圧倒的な武力が重火器のように百花繚乱と咲き乱れる
「いやいや、違う違う」
これは僕の妄想で、第一に母はそんな分別のない行動はしない
まぁ、結論として
「挨拶は止めておこう」
要らぬ薮をつつく必要も無い
ソファーに体を沈め、余計な考えを頭から追い出す
「寝よう」
早朝に二階からダイビング
バスでお尻を撫で回され
週末の街を猛ダッシュ
「今なら見えるかな…死兆星」
ヴァンパイアたる者
死ぬとか言っちゃダメだぞ☆
愛読書
『それいけヴァンパイア』より
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