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何かが僕の鼓膜を擽る
いや、違う
それは正しくはない
――――………
ほら、まただ
これは雑音で好ましくない
これは僕の平穏を乱す音だ
――――…きて
それはしつこく
それは止まない
だから邪魔される
静寂がもたらす平穏が
――――おきて
何が?何を?――誰が?
覚醒はゆっくりと
しかし確実にその瞬間に向けて
――しょうがないなぁ…
よし、『悩殺巨乳プレス』を!
――?
………ん?
「では!『悩殺…」
「するなぁぁーー!!」
危険を察知した本能が微睡みの頭に奇跡を起こした
「あ~あ、起きちゃった
おはよ♪権ちゃん」
目の前にはやや近すぎる距離にいる紗英がいて
「おはよう……胸をどけろ」
何故かボタンが全て外され、黒いブラジャーを見せている紗英
『悩殺巨乳プレス』か…
………危なかった
目のやり場に困り、視線を外した僕に紗英が訊いた
「ブラ、外す?」
「ど・か・せ!」
胸を押さえ、真顔で僕に訊くその神経が解らん
「そう?じゃあ見たくなったら言ってね」
「ひ・る・メ・シ!」
しつこい紗英に、本来の目的を叩きつけるように言い放った
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