紗英とランチ

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なんだ? 辛い? これって辛いっていうのか? ―沸騰しちゃえイエスタデイ うん、沸騰しそう こう、血液らしいものが… 「権ちゃん?汗が洪水みたいだよ?」 紗英、会心の笑顔 『私、権ちゃんの為なら何でもするよ?』 殴らせてくれ 《辛い》や《痛い》を超越した《生命の危機》を感じる 「き…さ…ま…」 唇が僕の意に反して小刻みにプルプルと震える 「ああ美味しい!ハバネロとチリソースのコラボレーションって素敵よね?」 凶器よね? 「そしてなんと言ってもこの隠し味の…」 隠し味…アレだよ 「ワ・サ・ビ!」 ―ワ・サ・ビ!って、これだけ大量に入ってりゃ気づくわい! 隠すつもりならもっとしっかりと隠せ! しかし度が過ぎるスパイシーさが僕の文句を遮断させる 「どうしたの?ギブアップ?」 【地獄の釜】を平気な顔で啜る紗英が僕を見る そして唇の端を微かに ――上げた コノヤロー 紗英は僕の現状を知り、尚且つそれを楽しんでいるのだ ――ナメるな! 僕は朝イチから死線を潜り抜けた―― 「ハァンハァイアはほ!」
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