班を作ろう

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もしもアレが全力投球なら… R指定のグロテクスな想像を振り払い、僕は渡されたプリントを見る 【仲間を集めろ】 ―なんのクエストだよ そうツッコミを入れた生徒は僕だけではない筈だ そして以下にこう記されている 【1】気の合った人を選べ 何故か命令口調なのがムカつく 【2】パーティーは四人構成 ※魔法使いがいると尚良い パーティーじゃなくて班だ ―て、魔法使いなんているか! 【3】仲間外れはやめよう ※後々面倒なことになるから 保身かコノヤロー 【4】勝手に決めてくれ ※午前中、先生いないから 放任!?―――まさか! ハッと顔を上げた時にはもう遅く、春馬の姿は無くなっていた 「何処までもふざけたヤツだ」 ―クシャ プリントを握り潰し、僕は野放しにされた現状に歯軋りした 『勝手に決めていい』 これは自由と言う名の枷だ 利己が理性から解放され、優しさや思いやりを奪う残酷な言葉だ 「おい!四人だって!」 「誰か俺と同じパーティーに」 「魔法使いじゃないけど…」 プリントを読み終えた生徒達が動き出した 皆、孤立するのは怖いからだ そしてもう一つ別の闘いが… 「権太は私と!!」
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