班を作ろう

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別に大声で指名しなくてもいいだろうに、陽子は勢い良く席から立つと、片手を高らかに挙げて宣言した 僕は新しいクラスで特別親しくしている人はいないし、陽子が騒ぎ立てなくとも争奪戦でもあるまいし…… 「ずるいぞ高山!」 「公平にジャンケンで…」 「吸血鬼と修学旅行なんてイベントを独り占めはさせない!」 意外と倍率が高かった 「私は先約済みなの!先にツバつけておいたんだから」 陽子が無い胸を反らし勝ち誇った笑みを見せる そんな陽子に驚愕の表情を浮かべる女生徒その1 「ツバ………リアルに?」 「うん、リアルに」 「つけられてたまるか!」 真顔で言い切った陽子に思わず突っ込む 僕を春馬のプリントとなどと一緒にしないで欲しいものだ 「そんな訳で《チーム権太》のメンバーはあと二人よ」 Vサインのように二本の指を高々と掲げる陽子 「いや…せめて 《チームヴァンパア》と…」 「駄目、可愛くない」 トントン拍子に進む話しに割って入ってみたがこの有り様だ 「チームは“特色”が大事よ 何の取り柄も無く《チーム権太》に入る事は出来ないからね」 いやいや コレって修学旅行の班だぞ? 「じゃあ、陽子の取り柄って?」 誰とも無く出た疑問 「貧乳?」 誰とも無く出た解答 ―ゴン!ガン! 陽子から出た拳
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