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―――――――――――
「けん玉二段の腕前を披露…」
「地味、却下―――次」
一体なんだというのだ?
「わ、私は舌でサクランボ…」
「駄目、なんか卑猥だし」
ここはオーディション会場か?
「胸の谷間でキュウリを…」
「嫌味?殺すわよ」
何より何故、陽子に決定権があるんだ?
次々に『取り柄』とやらを披露するクラスメートを無駄に厳しく裁く陽子
主を失った教壇に審査員よろしく居座り、その隣に何故か僕が立たされた
僕はマネージャーか?
たった二人のメンバーが中々決まらず、陽子は「ハァ…」と息を吐き僕を見た
「全然駄目ね…
どうする?マネージャー」
「やっぱりかい!」
僕は陽子の脳内配役に突っ込みつつ、休み時間をも潰し行われているオーディションもどきにウンザリしていた
「じゃあ、お前とお前」
「「えっ?」」
無作為に指差した男女
「え゙?」
隣で分かりやすく嫌そうな顔をする陽子
「ちょっと権太
何を独断で決めようとしてるのよ」
今までのお前はまさに“それ”だと気づけ
「《チーム権太》なのだろ?
僕が決めてなにが悪い」
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