班を作ろう

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――チッ 陽子の舌打ちがパーティー結成の合図となった 「《チーム陽子》にするべきだった…」 そういう問題だろうか 陽子の呟きに疑問を抱きながらも、ようやく決まった班に深く息を吐いた 「お前達もさっさと決めてしまわないか」 教壇の前に集まった生徒らを散らせるよう手を振る 別に僕達だけが修学旅行に行く訳じゃないのだ 「そうだよな」 そうなのだ 思い出したように動き始める生徒達を見て、そして窓の外を見る 秋晴れとはいかないが、雲の隙間から見える鮮明な蒼 「秋よねー」 「お前が言うな」 一つ学年が上がっただけのに、去年の秋とは何もかも違って見える それは成長か? それは変化か? 誰も教えてはくれない、知り得ない、確信などは無い 僕は強くなれただろうか? 僕は優しくなれただろうか? 痛みを与え痛みを受け そしてようやく知った痛みを上手く役立てているだろうか 理解なんてしていない でもきっと でもこれが 「青春よねー」 「だからお前が言うな」 まぁ…、とりあえず 「あとは行くだけね」 「………」 まぁ…、そういう事だ
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