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修学旅行前日
その放課後は何時にも増して帰宅者が多く、大会の無い部活連中は明日に備え早々に家路に向かうようだ
木枯らし舞う校庭を、指定人数きっちりの晩餐会メンバーに見送られ校門を抜ける
「で、何で陽子とお前が同じ班なんだ?下心か?下心だよな?」
昼休みの時に陽子が洩らした班編成に、キリトは嫉妬の炎を撒き散らしている
「コイツ相手に下心とはなんだ、失礼なヤツめ」
「権太が何気に一番失礼よ」
親指で指された陽子が半眼で僕を睨む
「そんなに意外な事か?予想通りすぎて面白くもない」
下校集団の最後尾からつまらなそうな声を出す大作
「――いや、逆に面白いか」
「お前は何を期待いている」
ふと真顔に戻った大作を半眼で睨む僕
「とにかく、俺の陽子に手を出したら許さないぞ」
キリトは符術用のカードを手に、ドラマの1シーンのような台詞を吐く
「誰がアンタの…」
「心配無用だ」
「少しは張り合いなさいよ!」
どっちなんだよ
女心の微妙な揺れを感じながら陽子を見るが、目についたのはその後ろでニタニタしている大作だった
「ほら、面白そうだ」
お前だけだ
せめて他のメンバー二人はそれなりに普通であって欲しいと願う
そんな僕であった
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