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「清美…お前は何歳だ?」
僕は靴を脱ぎながら訊く
「……21になりました」
「サバをよむな」
お前の素性を知らないとでも思ったか
「…に……26です」
観念したのか、清美が白状した年齢は母から聞いていたものと一致した
下唇を噛みしめ、プルプルと震える清美に僕は静かに告げた
「見るに耐えんな」
清美の脇を通り抜け、自室のある二階へと向か…
ガシ
腰に巻き付く二本の腕
「見捨てないで下さいぃぃー!分かってるんです!私にだって無理があるって!……でも……でも…」
ヒステリックに声を散らし、眼鏡越しの潤んだ瞳が僕を下から見つめる
「でも?」
その瞳を、僕は真逆の温度に冷えた目で返す
「…まぁ、“アリ”かな?と」
「無理」
清美の戯言をサラリと受け流し、いざ二階へ…
「聞いて下さいぃぃー!!
訳を!ご主人様、どうかこの姿に至った訳を!!」
背を向けた僕を羽交い締めにした清美が耳元で喚く
この!ぐっ…なんて力だ…
――って足浮いてるから!
言っておくが身長さや体重差はヴァンパイアの能力と一切関係無いのだぞ?
「放せ!色々と傷つくぞ?話しは聞くから先ず放せ!」
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