出発前日

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「清美… 何でお前が参加する必要があるんだよ」 別にライバルが増えるのは構わないが、控え目な性格の清美がこんな勝負に首を突っ込む理由が解らない 「私の下着を売って稼いだ分を返してもらいたいだけです」 「おいこらジジイ」 爺ちゃんの収入源が思わぬ形で発覚 「大した額じゃないわい 清美がもう少し若ければ…」 「え?文句言われてる? しかも地味にショックです…」 なんちゃって女子高生の清美 ロープライスに若干戦意喪失 「おい清美 お前が参加するのはいいが、僕が勝ったらお前からも小遣いもらうからな」 ライバルが増えるのは構わない しかし負うリスクの分はしっかりとリターンしてもらわないとな 「それはもちろん」 そう言って清美は財布から一枚の紙幣を取り出す 「ゆ、諭吉か!?」 生まれて一度も触れた事の無い憧れの紙幣に、僕のテンションは急上昇 ……清美に頼めばよかったな 「ほぉ 勝てば一万か…新作のDVDが買えるな」 「ジャンルは聞かないぞ」 それぞれの思いが交錯した今回の勝負 ―勝つのは 修学旅行にかける純粋な僕か 下着を売られた薄幸の清美か はたまたエロハゲジジイか
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