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「じゃあ、今から先輩のこと、ヨシタカって呼んでもいぃ?」  ――無理だ、こいつは。  その一言で、俺は一気に気分が悪くなった。 「悪いけど、やっぱアンタじゃだめだ。付き合うとか考えただけで無理。  早く俺の前から消えて?」 「やだ、なんの冗談……!!」  冗談なんかじゃない。  本気の怒りを顕にした俺を見て、青ざめる顔。 「お、おかしいんじゃないの?!」  捨て台詞を残して走り去った女の背中を、ずっと睨み付けていた。
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