西本願寺捕物帳

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新選組の屯所では豚を飼っている。 隊士の中で体調を崩す者が多く、豚肉を食べて精をつけようという事だ。 その飼っている豚が逃げ出したのだと藤堂は言う。 「どういう事だ!?」 急遽、幹部を集めて軍議を開始する。 「わりぃ、副長・・・実は俺なんだ」 原田が手を挙げて自首する。 「さっき新八と庭で稽古してたんだけど、つい力が入っちまって、囲いを壊しちまった」 「何でそんな所で稽古するんだよ!?境内があるだろうが!」 「だって、あそこでやると坊さん達が煩いんだよ」 永倉が口を挟む。 元々、寺に歓迎されてない新選組は、何かあるとすぐに僧侶からブツブツ言われていた。 「だからって、それで豚逃してたんじゃ、余計嫌味言われんだろうが!」 そう言うと、永倉も原田も口をつぐみシュンとする。
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