西本願寺捕物帳

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「副長!」 続いて島田からの報告。 「床下から豚の鳴き声が聞こえてきます」 「・・・床下か。すまないが平助と斎藤、行ってきてくれないか?」 「分かりました」 2人は文句を言う事なく、部屋を出て行く。 「あのぉ~」 そこに遠慮がちに井上の声が聞こえた。 少し障子を開いて現れた井上の腕には豚。 「1匹戻って来たみたいです」 「本堂で2匹、床下で1匹、小屋に1匹・・・」 すでに4匹の豚を捕縛するのに成功した。 ちなみに永倉と原田は案の定僧侶にバレて、只今お説教中。 しかし、あと1匹がなかなか見つからない。 「仕方ねぇ、俺が出るか。総司、お前も来い」 「いいですよ。でも、その障子開けたらいるんじゃないんですか?」 沖田が冗談を言うが、土方は相手にせずに障子を開ける。 「・・・」
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