第一部 ラグナロクの追憶

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      暗い夜道を 少女はひたすら歩いていた。     泣きじゃくりながら、一歩一歩と歩みを進めていた。   それでもたどり着きはしなかった。     そればかりか、目的の場所は遠退いていった。     少女は叫んだ。       『どうして、どうして逃げてしまうの!』       そのまま少女は泣き崩れた。     何時間も泣いた。   そしてまた叫んだ。     『どうして逃げてしまうの!お母さん!』     そしてまた泣きつづけるのだった。       そのうちに一羽の白い小鳥が少女の肩にとまった。     そして囀った。         『ここから先は死人はいけないよ』         その言葉で 少女は初めて知ったのだった。    
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