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これは遠い昔に戦場を駆けた一騎の記憶だ。
彼の主は英雄である。
英雄であるが故に人の上に立ち
人の記憶に残った。
私はマレンゴ。
戦場を駆けた一騎であり、私の主は英雄だ。
記憶とは実に不思議である。
人間も草も鳥も
はたまた空気や雲、空まで記憶を持つ。
そして又
各々に違った記憶、歴史を持つものだ。
私達が気付かないだけで。
全ては知っているはずなのだ。
さて
もう気付いたであろう。
私が如何に至高の存在かを。
だが
気楽にしてくれ。
私はそれを押し付けはしない。
何故かだと?
それは私が伝えたい事を胸に秘めているからだ。
『さて、まだ聞きたいかい?まぁ、焦りなさるな。次のページを開こうではないか。』
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