第一部 ジッグラント大陸創造

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  マレンゴは主から昔話を聞かされたみたいだ。   おや マレンゴが記憶を垣間見ることを許してくれたみたいだ。     では 見てみようではないか。                      なぞった文章にそれはあった。   何度滅んでは甦る理想郷。   そこに住むは神々の使い。   今となっては甦る事などない。   何故か   この都は四つの種族によって支えられていた。   しかし ある日、予兆も無く。 それは起こったのだ。     天変地異ではない。     ただ一種族の   たった一人が起こした謀反だった。   それにより安定を保っていた都は一気に崩れたのだ。   その謀反者は都を手中に治めるべく王を討った。    そして   安定が乱れた都は   大地震と大洪水を起こし、海中深くへと消えていった。     神々の使いと言えど、海中では呼吸が出来ぬ種族は大勢居た。   その種族の御霊は一○八の光となり、この世に飛び散った。   さて、謀反者は如何様になったか。     彼の傍にはいつも付き添っている同種族が一人居た。   二人は幼い頃より共に時を過ごし、幼い頃より誓いを立てていた。   片方が疲れればそれを癒やし、片方が悲しめばそれを慰めた。   だが最早それは叶わなかった。     海中で謀反者の亡骸にすがりつくようにもう一人。   傍らにいる者が居た。 彼は一つ問うた。       『天と地の狭間とは一体何なのだ』     一粒   消えゆく生命の中で流した涙は大陸となった。    
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