第2章 序章-ヤナンの旅路-

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        ヤナンは幼い頃から闇を背負わされた少女だった。     だから空に憧れた。   それだけの事だ。     自由に憧れた彼女はあての無い旅にでた。   それも長い永い旅路だ。    辿り着く場所がない事を知りながら旅を続けていたのだ。                             お前か   私の話しを聞きたがっているのは     心得た。   私の歩んだ旅路を記憶に残そう。     案ずるな。   聞いても闇などは来ない。     何故かだと?     それにはもう気付いているはずだ。     木々が教えているではないか。   そら、足元を見てみろ。  芽吹いているのが分かるなら、それでいい。   両の眼をしっかり見開いて、地を踏みしめるんだ。   それで感じるだろう?     己が存在しているのだと。         さて 少しお喋りが過ぎたみたいだ。     私は暫し眠りにつこう。    ほんの少しのお別れだ。     また逢おう                       『やはり聞きたいのかい?宜しい。お話しをしよう。』      
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