~第1章~ 姫と騎士

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「わかればいいんだよ、わかれば。で、アーヴィン暇だ」 「いきなりなんだよ。暇ってやることはいっぱいあるだろうが」 はぁ~、一体今日が始まってから何回ため息をついたことか………… 「刺繍やダンス、勉強にそのたいろいろな事が大量にあるだろ。暇とか言ってる暇はねーんだよ」 「却下だ。めんどくさい……」 エレナはそう言って、美しいドレスを翻し、さっさと先程座っていたところに座った。 「んっ…………もう無くなったのか……おい、アーヴィン、紅茶」 エレナはそう言って、カップをもち、持ってこいとカップを振った。 「そういうことは侍女に頼んでくださいよ。俺は騎士で貴女を守る立場にあって、貴女の世話係ではないんですから」 まぁ、使用人が嫌い、というか、俺や一部の貴族と騎士長、それと当たり前だが、陛下と王妃様以外、姫の正体を知らないのだから。 だから、侍女にも姫として接しなくてはいけないのが嫌なのだろう。 「アーヴィン、お願いしますわ。わたくし、貴方の紅茶が飲みたいの」 うるっと、うっすらと涙を浮かべて俺を見つめてきた。 俺はどんな演技だとしても、彼女の涙には弱い。 「はいはい、かしこまりました。エレナ姫」 俺は慣れた手つきで紅茶を蒸らし、お湯を入れ約3分ほどたったころで、カップに注いだ。 その瞬間甘い匂いが部屋じゅうに広まった。
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