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小さな光、でも遠い遠い果てから力強く輝きを放っている。
「すごい……。」
私は、心の底から思った。
「だろ?」
彼はまるで自分の事のように喜んでいた。
「ん?僕は、この感動をわかってもらえて嬉しいんだよ。」
彼は私の表情から疑問を読み取ったのか屈託の笑顔で言った。
それから彼はたくさんの星を私に教えてくれ、気が付くと私も熱心に聞いていた。
「あっ、」
彼は慌てて携帯電話を取り出した。薄暗い中デジタル文字で2時半が浮び上がる。
「俺、そろそろ帰らないと……。」
彼は迷彩色のリュックに物を詰めだした。その姿が出た行った彼に重なり酷く不安になる。そして、私は無意識に彼のシャツを掴んでいた。
「どうしたの?」
彼は少し困った表情をしている。
私もよくわからない……。だけどなぜか寂しい。
「今度いつ星を見に来るのかなって思って。」
当たり障りの無い事で返した。
「そうだね……明後日かな。」
君も一緒に見る?と聞かれなぜかとても嬉しく感じ、私はうなずいた。
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