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秀人は、自分の斜め前に置かれた秘書用の机に体ごと向き、奏子を見ながらクスリと微笑んだ。
「ウチには戯れるべき受付嬢なんていないでしょー?
奏子ちゃん以外にこの会社で口説きたいと思えるような子なんていないんだから。」
重厚な机に肘をつき、体を乗り出して奏子を見る。
「…本日の予定を申し上げてもよろしいでしょうか?」
秀人の口説き文句を無視し、奏子は笑顔で自分の仕事に戻ると「ちぇっ」と返された。
ここに来てからの1週間は、毎朝このような具合に秀人から口説かれる。
さすがに毎朝なので慣れてしまったし、この男はそういう軽い部分があるのだ。
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