夢の後先

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僕には夢が無かった     世界に絶望するほど、    世界を知らず    人間に絶望するほど、    人間は捨てたもんじゃない     でも僕は自分に絶望した       幼い頃の僕を、    周りは大人びてると称し   悩みが無いと羨んだ    ”悩みが無いのが悩み”   だなんてセリフを吐く頃には、    無関心を装うことが最後の抵抗だった        そこに君が現れた    君には夢があった    誰もが望む、ささやかだけど暖かな夢が    そこには僕の居場所もあった    僕は初めて夢を持った    君と同じ夢を    だけど夢のまま消えた…       僕にはかつて夢があった    叶わなかった夢が    でもその夢は、    僕に夢見ることを教えた   
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