侍立異端

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…その後、大した時間もかからずに盗賊達の制圧は終わった、これは俺の目の前に立つ少女…否、美少女達のお陰でもある。   「ふう…」   丁度腰を掛けるにもってこいの木箱の上に座って一息ついている所に三人の美…いい加減しつこいか、三人の少女達が近付いて来た。   「ありがとうございました♪あなたのお陰で村を救う事が出来ました!」   「お兄ちゃんはびっっくりするくらい強かったのだ」   「ああ、本当にな…助かりました、あなたの武が無ければこの村は危うかった…御助勢に感謝致す」   口々に誉めて貰えるのは有り難いが…たった三人で俺が来るまで持ちこたえたのだから讃えるなら間違いなくこの三人だろうに…   「有り難いが誉めるならあなた達だ、良く持ちこたえたモノだ…しかし、この地に来てからは感服しっぱなしだなぁ」   頭を掻きながらそう言うと三人共が少しくすぐったそうに照れて見せる。   うむ、可愛いな。   「あ、あの…私は劉備って言います、字は玄徳です♪よろしくね♪」   元気良く名乗る少女の名前に平静を装って内心たまげる俺、聞き間違いじゃなければ今、間違いなく劉備玄徳と言ったな…となればこの二人は…   「私はとう…ではなく、劉備様の一の家臣、関雲長と申します」   「鈴々は張飛なのだ」   言わずもがな予想出来た名前が出てきたな…   「北郷一刀だ、何だか分からない内にこの地に立っていた…よろしくたのむ」   「北郷さんはこの辺りの人じゃないんだ、じゃあ…どこから来たんですか?」   「うーん…あっちの山?」   指をさした方向を見て三人は驚いた表情になる、あっちはそんなに珍しい土地なのか?   「あの方角って…」   「五台山…ですね」   劉備と関羽が俺の知らない地名を言い、何事か話を始めた…占い師がどうの、とかなんとか。   「本当に五台山から?」   劉備が念を押すように聞いてくる、知らない内に立っていた…などとは言い難いよな。
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