三角

2/2
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
長崎は走った。横になっている香川に近づく。香川がいった。 「コーン・ラーメンが食べたい。」 長崎はたかぶる感情を押さえこんで言った。 「…わかった。出前をとろう。」 携帯をとりだし電話する長崎。その手は少し震えていた。電話を終えた長崎は言った。 「十分くらいで来るらしいから待ってろ。」 「ご苦労様」 香川は長崎の気を知ってか知らずか、のんきに笑っている。長崎は、もう胸腹が煮えたぎるような、トロトロになるような感覚におちいる。つかの間の静寂のあと、香川が言った。 「私たちが出会ったときのこと覚えてる?ふふ」 「ああ。あれほどバカなことにはもう死ぬまで出会わないだろうな。」 実際香川に出会わなければ、長崎の人生はこんな展開にはなっていなかったはずだ。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!