オキシミドロ

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香川は左肩からえぐれている。すごい血がでている。おそらく、あと十分くらいで死ぬだろう。いや、彼女ゆえにあと十分は死なないだろう。 「スニッカーズ食うか?」 「…いい」 「………」 そうこうしてるうちにラーメンの出前が来たようだ。 「とってくるわ」 「…うん」 ガチャガチャ。 「どうも」 「塩ラーメン九百円になりやす」 「なんだと!?」 「え、だから塩ラーメ…。はっ、しまった。」 「この野郎!!」 長崎は、いやな予感がした。これはフラグではないだろうか。バイトの男の姿はとうに消えていた。だがそんなことにかまっている暇は、長崎にはなかった。塩ラーメンを持って、いそいで香川のもとに走る。汁がこぼれて服に染みをつくる。そんなことはどうだっていいのだ。香川! 「ほら、ラーメンがきたぞ。お前の欲しがってたコーン・ラーメンじゃないけど。ほら、食えよ。」 口元に箸をあててやるがピクリともしない。 「…おい」 香川は寝顔のようにやすらかな顔をしていた。 「フラグなんかじゃないよな…。ああ、しょっぺぇ…」
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