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「…時空?なんなんだそれは」
聞いたことのない属性に少し動揺する。
時空という名から時を動かす力という事だろうか?
そんな神のような力が人間に扱えるはずがない。
俺はソラの答えを待つ。
じっと見つめながら。
「んーと、詳しくは俺にもわかんない☆」
「…は?」
キラッと指でポーズを取りながら言うソラに俺は呆けるしかなかった。
「ここまでいっといて何も知らないのかよ!」
つっこみざるを得ない。先程の自信満々な話はなんだったのか。
「どんな魔術なのかまでは俺でも調べれなかったんだもん」
あ、でもそういう属性があるのはほんとだよ!
と慌てて取り繕うソラを見て俺は肩を落とした。
結局何も進展なし…か。
俺はもとの体に戻れるのだろうか。
「まぁこのままでも可愛いからいーじゃないですか」
俺に飛びついてきたリィをギリギリ受け止めながらそんな言葉を聞く。
よくないです。
あと可愛いっていうなこんちくしょー。
可愛いのは笑顔ですり寄ってくるリィだぞ。
成長がとても楽しみです。
誰だ!
変態っていった奴。
「あー!リィ狡いぞ!おにーちゃんにも分けなさいっ」
俺とリィが引っ付いているのをみてソラが指を差しながら叫ぶ。
狡いとかそういう問題じゃないだろ。
あとお前はお断りだ!
むさくるしい。
そんな俺の願いは虚しく左腕をソラに捕まれてしまった。
右腕にはリィ。
放そうとする気配はない。
「あっ!バカ兄、はなしてくださいーっ」
ぎゅーっと自分の方へ俺を引っ張るのはいいんですけども。
「いやだ!俺も入る」
大人気ないお兄さんも放してくれそうにない状態で。
つまり…、そう両側から引っ張られててですね
「いだだだだだだだ!!」
腕がちぎれそうです。
痛い。
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