はじまりはとうとつに。

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「このアホ共が!痛いって言ってるだろう…放せっ」 ついに堪忍袋が切れた俺は力いっぱい自分の腕を引っ張り出し、二人から離れた。 俺を黒いオーラが包む ふふふ…俺を怒らせたな? もう許さん。 全てのうっぷんを晴らしてやる。 「ご、ごめんなさいです」 俺が怒っているのに気付いたのか、リィは素直に俺に謝った。 「そんな殺気こめて睨まないでよー、可愛い顔が台無しだよ?」 だがソラはそれに気付いていながらもニヤニヤしながら俺にそう言う。 てか可愛いって言ったよな? …こいつ、殺す。 「展開…、雷」 俺は呟きながら陣を展開する。 俺とソラの間に60㎝くらいの陣が現れたと同時に俺は陣を完成させた。 「雷槍+α」 雷槍、俺オリジナルバージョン。 普通の雷槍は一本の雷でできた巨大な槍が目標に向かっていく、という重魔術だ。 だが、それだといくらスピードが速くたって一直線上に向かっていく槍なんて避けられることが多い。 そこで俺の雷槍は全方向から攻撃する。 上方向を除いて、だが。 「アスクちゃん、危ないだろ~」 どうやら成功したようだ。 ソラを中心に8方向から雷の槍が向かっていく。 勿論、それを食らうようなソラではない。 上方向に逃げ場があるのに気づき、無属性の肉体強化を素早く足に展開させ上方に跳ぶ。 「引っかかったな」 俺はソラが跳ぶのを確認してから、展開させておいたもう一つの陣を発動させた。 「障壁」 無属性、軽魔術の誰でも知っている簡単な防御魔術だ。 普通に使うときには強度が弱いため、使いにくいが今回は身を守るために使うわけではない。 ゴンッ!! 「いったぁぁぁぁあ!!」 こいつの頭にぶつけるために使ったわけだ。 簡単に今の状況を説明すると、思いっきり飛び跳ねたソラが俺が頭上に出しておいた障壁に頭をぶつけたって感じ。 極魔術をぶっ放しても良かったんだが、この体じゃどうなるかわかんねぇし。 .
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