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◇◇◇
狭く、物がほとんどない部屋。
生活感など全く匂わせないそんな場所に一人絶望に打ちひしがれる男。
そう、俺だ。
まず、自己紹介でもしようか。
俺はアスキー・クローク。
顔見知りからはアスクって呼ばれている。
世間には"黒猫"で通っているのだけど。
歳は今年で24。
性格は自分で言うのもなんだが気まぐれで自己中だ。
したいときにしたいことをする、それが一番だろ?
それで周りが迷惑してるようだが他人のことはどうでもいいし、そんなこと俺の知ったこっちゃない。
楽しければ良いんだ、俺が。
―――――ああ…、そんな風に考えてたからこんな事になってしまったのだろうか…。
知らないうちにまた、大きなため息を吐いてしまった。
もう、これで何回目になるのだろう。
どれだけため息を吐いても状況は打破されない。
それでもため息を吐いてしまうのは、やっぱりこの状態が嘘であってほしいからだと、思う。
ふと横にある姿見で全身を見てみる。
その行為を今日は数十回も繰り返してしまった。
鏡に映った姿は昨日まで見てきた自分の姿とは全く違う。
180以上あった背は140あるのかさえ危ないくらいに。
手足もそれに合わせて短く。
俺の自慢だった整った顔立ちはあどけなさ満載のしょた顔に…!
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