はじまりはとうとつに。

8/15
前へ
/67ページ
次へ
◇◇◇ 転移とは無属性の移動魔術の一つだ。 場所に予め陣を埋め込み記憶させ、使いたい場所で同じ陣を出して魔力を消費し埋め込んだ場所に移動できる、という使い勝手の良い魔術なのだがコントロールが難しく、魔力の量をミスするととんでもない場所に飛ばされたりしてしまう。 そのため無属性には珍しい最魔術指定をされている。 俺が向かったのは情報屋のところだ。 腕は確か何だが如何せん変人さんで、しかもロリ&ショタコンの変態の中の変態だったりする。 本当は会いたくない。 この格好では絶対会いたくないのだが背に腹は代えられない。 情報屋としては最上級だからな…。 光が収まる。 どうやら着いたようだ。 目の前には雲、鳥、空。 空? そ、ら? 「ぎゃぁぁぁぁぁあ!!」 目的地ミスった? 何で?えぇ!? 「てか落ちる!?落ちるよ!!」 もうすぐ緑に包まれた地面に突撃☆してしまう俺はパニックになりつつも地面に向かって魔術を放とうとする。 この魔術の反動で衝撃を和らげよう。 パニックになった頭で出来るなけなしの俺のアイディアだ。 「展開、炎!!…焔弾っ」 赤色に光り輝く陣が現れる。 これは魔術陣と言って魔術を使う上で必要不可欠なものだ。 そして重魔術である、焔弾。 五大属性の一つ、炎を使ったシンプルに炎の弾が飛び出す魔術。 魔力の量や質やコントロールで弾の大きさや数が決まる。 まぁ数発で良いだろうと思い、その分だけの魔力を注ぐ。 数発、それも威力はあまり強くないように調整した…はずだったのだが。 ドゴォォォォオオオンッツ!! 出て来たのは隕石かっ!!ってくらいの威力に直径5メートルくらいの大きな焔弾四つでした。 あれ、数ぐらいしか合ってないよ? 勿論反動で俺の小さな(自分で言って悲しくなるな…)体は思いっきり吹き飛ばされる。 焔弾が墜ちたところには無惨にもクレーターができていた。 ほんと誰も居ないところで良かった…。 後味悪い。 「で、振り出しに戻る、か」 吹き飛ばされた俺の体はまた地面に引き寄せられていく。 「展開、風、疾風!!」 初めからこうすれば良かった。 今度は淡い水色の光でできた陣が現れる。 五大属性の風を使い、俺の体は風に包まれ、ゆっくり地上に降りていった。 足が完全に地面についてから、魔術を解除し俺はある結論をだした。 .
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

938人が本棚に入れています
本棚に追加