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「でも、どうして俺なんだ?あの体のでかい男のほうがよっぽど役に立ちそうだと思うけど…」
「さっき、お前とそこの女の子が話してるのが聞こえたんだ。」
陸太が高岸を指差した。
さっきとは、俺が目覚めた直後のことだろう。
「お前ここの高校に通ってんだろ?地形を把握できている分こっちが有利になるんだよ。」
「そういうことか。俺はただの地図代わりってわけね…」
「まあ、そういうこと。」
なんか悲しい…
「その代わり、俺からも情報を提供する。」
陸太の表情が真剣になった。
「情報ってなに?」
俺は陸太に聞いた。
すると、陸太は顔を近づけてきた。
「坂戸真央。あの女には気を付けたほうがいい。俺はあいつと同じ高校なんだけど、あいつは平気で人を裏切る人間だ。だから、なるべく関わるなよ。」
坂戸真央か…
そんなに悪い子には見えないけどな。
でも、女は見かけで判断出来ないからそうなのかもな。
ぐすっ…ぐすっ…
誰かが泣いているのが聞こえた。
高岸だった。
「まだ泣いてんのか?」
「だって…」
高岸は涙を拭っていた。
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