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一通りの説明が終わった。
『これでルールの説明は終わりです。なにか質問はありますか?』
「プレイヤーは10人って言ってたよな?ここには9人しか居ない。あと1人はどこにいるんだ?」
さっき叫んでいた男が質問した。
『皆さんが目を覚ます前に逃げ出したという情報が入っています。』
正直俺も面倒だから、こんなゲーム抜け出したかった。
「なんで私たちがこんなゲーム…」
高岸が呟いた。
『皆さんは人間関係、生活環境、全てにおいて条件が整っています。よって、ここに集めさせていただきました。』
「条件?」
俺と身長が同じくらいの男が言った。
『このゲームは言わば、心理テストの実践版みたいなものです。そのために様々な人物の実験サンプルを取りたいと思いましてね。』
「冗談じゃないわよ!なんで私たちがそんなことしなきゃいけないの!?私帰る。」
赤いブーツを履いた女の人が機嫌悪そうに叫んだ。
そして、帰ろうとしている。
無理もない。いきなり連れて来られて、実験のサンプルにすると言われたのだ。誰だって腹が立つ。
『帰ってもらっても構いません。』
荒木の返事は意外だった。
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