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『しかし…』
荒木は不気味な声で言った。
赤いブーツを履いた女は振り返った。
『帰る場合あなたを失格と見なし、敗者と同じ扱いにします。つまり、あなたの一番大切なものを奪います。』
「一番大切なもの?」
俺は不安げに聞いた。
『そのままの意味です。』
「命懸けのゲームかよ…」
体の大きい男がそう言った後、全員が黙り込んでしまった。
俺はさすがにやばいと思い、警察に電話をしようとした。
『北条君。無駄ですよ。この敷地内以外に電波を送信することはできません。同様に、敷地外からの電波を受信することもできません。
この学校の敷地外には私の部下が見張っているので、途中で抜けることも不可能です。』
絶望的だった。
『では、開始は1時間後の22時です。それまでの時間を有効にお使いください。』
そう言って放送が途切れた。
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