プロローグ

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才能というものは、天からの授かりモノであり、生まれ持ったモノであり、それを手に入れることは不可能だ。 私にもなにかしらの才能があると思っていた。 幼稚園で紙を真っ直ぐ切りなさいといわれても切れなかった。 先生がハサミを取り上げ、紙を切る。 かけ算、わり算の仕組みの意味がわからなかった。 私は大真面目なのに、なぜかけ算ができないの!?と怒鳴り散らす先生。 体育のバレーではボールを落とす。 大会でもないのにボールを落としただけで文句をいう他人。 足は遅く、運動会のかけっこでは一周抜きされる。 もう少しでゴールなのに、タイムアウト扱いで白線外に出される私。 理不尽この上ないことをする神様。 私には才能がなにもなかった。 神様は人間を平等にすることをしなかったが、平等になれる力を授けてくれていた。
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