出会い

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彼の独奏は終わった。日は暮れ、部活は停止時間になり、校庭では野球部が地均しをしていた。 「素人の私にも分かる。何故そんな才能があるのにあなたは1人なの?」 私は問う。 「なぜそんなことを知りたがる?」 彼は近くのイスに腰をかけそう言った。 「あなたを知りたくなった、そんな才能があるのになぜ孤独なのか」 私がそう言うと彼は笑い出した。 下品な笑い声ではなく、上品な笑いだ。 音楽室中に笑い声が響く。
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