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六月十五日 放課後
「ハク~。一緒に帰ろうぜ」
終業の鐘が鳴り、荷物をまとめた俺はハクに言った。
「むむ、大変魅力的なお誘いだけど遠慮させてもらうよ」
「どうした?」
「今日はちょっとした買い物をしなくてはいけないからね」
ハクはため息を吐く。
「ベッドが古くなっちゃって。私なんか寝相が悪いから夜通しギシギシギシギシ‥‥」
ハクは遠い目をして昨日のことを話しはじめた。
「昨日なんてさ、あまりにもギシギシうるさかったから、親が勘違いして『お前にはまだ早い!そういうことは二十歳になってからにしろ!』って部屋に入ってきたんだよ」
「‥‥いろいろ大変だな」
「うん、だから明日は一緒に帰ろう?」
俺は真顔で答えた。
「イヤだ」
「ガァーンッ!!!」
効果音の選択が古い。
「嘘だよ、明日は約束だぞ?」
ハクは大きくうなずいた。
「アスカと楽しめるように大きめのベッド買ってくるから!」
ハクは無邪気に危ない発言をした。
教室に残っていた他の生徒が俺たちの方を見ている。
イヤ、そこまで関係発展してないッス‥‥
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