11月12日、命日。

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康志は腰紐をしばられたまま細い廊下をゆっくりと歩いていく。 幾重にも張り巡らされた重い鉄の扉をくぐり抜けていいった。 細い廊下の突き当たりにある鉄扉の前で腰紐をほどかれる。 ゆっくりとその扉が開かれた。 目の前にガラスが張られているのが見える。 そのガラス越しに女性の姿が見えた。 康志は一瞬彼女に目を奪われたがすぐに目をふせ、ゆっくりと部屋の中に足を踏み入れた。 開いていた鉄扉が音をたてて閉ざされていった。
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