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「でも一葉さんてホント料理上手いすよね。これなんか最高す。」
洋介は出されたパスタをほうばりながら言った。
「ありがとう。洋介君これも食べてね。」
一葉は大皿に入れられたロールキャベツを洋介の皿に移す。
一葉は自分が食べるより皆の食事の世話を甲斐甲斐しくしている方が多かった。
「お前もちょっとぐらいはお姉ちゃん見習えよ。」
洋介が冗談混じりに小羽の顔を覗き込む。
「あたしは出来ないんじゃなくてしないの。洋介味音痴じゃん。」
小羽はまるでだだっ子の様にプーと膨れている。
「まあ俺は質より量だけどな~。」
そう言った洋介の皿の上のパスタはすでに無くなっていた。
対照的に康志の皿にはまだ色々な料理が残ったままだった。
「康ちゃん、あんまり美味しくない?」
一葉が不安そうに康志に問いかける。
「違うんだ!今日暑かったからあんまり食欲わかなくて…ホントにうまいよ!」
康志は慌てて食事の手を早めた。
「そう。無理しないで食べれなかったら残していいからね。」
「ううん、食べれるよ!ほんと美味しい。」
康志は無理やりパスタを口に詰め込んだため、むせてしまったが構わず食事を続けた。
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