まるで確認するように

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門番の居ない門を抜けるとすぐに目に入ってきたのは貴族風の格好をした数人の男たちだった。 俺が話しかけようと近づくと、その中のひとりが俺に気が付いた。 「……人間だ!」 その声に反応するように周りの奴らもこっちを振り向きやがった。 「なぜここにいるのだ」 辺りに嫌な空気が満ちてきた。 俺は空気の読める男だ。堂々と道を尋ねればいいんだ。何も悪いことはしちゃいない。 俺は道を聞こうと歩み寄った時にそいつらの手にギラギラ光る剣を見て俺は、静かに回れ右をした。 「待て!」 俺が走ろうと構えた時、奥から威厳のある声が響き渡った。 それを聞いた俺とそいつらはピタッと動きを止めて後ろを振り返る。 「彼は私の息子だ。人間に化けるのが上手いだろう?」 噴水の後ろから現れたそいつは一瞬で俺の隣に移動してきた。 そいつは俺の肩に手を置くと、俺を誘導するように城に向かって歩いていく。 「えっ……? ちょっと」 「何も言わず着いて来い」 耳元でそう言われる。 するとさっきまでの敵意はどこへやら、剣を握っていたやつらは俺にペコペコ頭を下げてきた。 「先程のご無礼お許し下さい。何せ臭いまで真似することが出来るとは思いもよらず……」 「どうか魔王様によろしくお願い致します」 何なんだこいつら……? 態度が違いすぎないか?
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