まるで確認するように

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っていうか、息子? こいつの? 魔王ってなに!? 俺が混乱しているのを余所に城内に入る。 「200年ぶりの再会だ。少し話がしたい、君たちは外で待っていてくれ」 魔王と呼ばれる男が手で制する。 「すぐに戻る」 それを聞いて諦めたのかいそいそと後ろに下がっていく。 やっぱりこいつは魔王なのか? そうじゃないにしてもかなりの権力者みたいだ。 彼は入り口の近くの部屋に入り鍵をかけると、こっちを向き直って部屋の中央にあるテーブルを指してして言った。 「君、まずは座ってくれ、話はそれからだ」 俺は警戒心を解かないようにゆっくりと座った。 「名は何という? 何故ここに来たのだ? 仲間はいるのか?」 矢継ぎ早に質問を飛ばしてくるそいつは目を輝かせて俺の返答を待っている。 しかし、俺が答えられるのは名前だけだ。 「ロイ・フォード。それしか覚えてないんだ」 それを伝えると彼は疑うような視線を俺に向ける。
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